香りを楽しむクラフトビールの世界　〜風味の判定で広がる楽しみ方〜

　クラフトビールの魅力の一つは、その多様なアロマが織りなす風味にあると感じます。一般的なビールと違い、クラフトビールは醸造所ごとの工夫やこだわりが詰まっており、一杯一杯がまるでアートのように楽しめます。ビールの色や香り、味わいをじっくりと感じ取りながら、どのようにその風味が構成されているのかを知ることで、クラフトビールの楽しみ方が一層深まります。
　本記事では、クラフトビールを味わう際に注目したい風味の判定方法についてご紹介します。初心者からビール愛好家まで、どなたでも参考になる内容ですので、ぜひチェックしてみてください。

ビールの３大アロマ

ビールの香りを語る上で欠かせない要素として、ホップ、モルト、エステルのアロマがあります。この3つの要素は、ビールの風味を構成する重要な柱であり、これらのバランスがビールの個性を大きく左右します。

1. HOPS（ホップ） 　・・・ホップ由来
2. MALTS（モルト）　・・・モルト由来
3. ESTER（エステル）　・・・酵母がアルコールを作る時に、作られるエステル成分由来

３段階で判定

各アロマの強さを「Low」「Middle」「High」の3段階で判定することで、それぞれのビールが持つ特性をより具体的に把握し、個々人がビールの違いをしっかりと識別できるようになります。

Hight ・・・　鼻を近づけただけで、どのような臭いかわかる
Middle・・・口に含むと、どのような臭いかわかる
Low・・・口に含んでも、どのような臭いかわからない

アロマ風味の代表例

　それぞれのアロマで感じられる風味の代表例を以下にまとめています。ビールで風味を味わう際に参考にしてみてください。

HOPSアロマの例

フローラル系

• バラ
• バイオレット
• ラベンダー

シトラス系

• グレープフルーツ
• レモン
• オレンジ
• シトラス

• パイナップル
• マンゴー
• メロン
• ライチ
• パッションフルーツ

ベリー・フルーツ系

• 黒すぐり

ハーバル・スパイシー系

• ハーブ
• ペパーミント
• コリアンダー
• スパイス
• ペッパー

樹木・アーシー系

• 刈草
• 土っぽい
• 松や杉の木
• パイニー（樹木の香り）

スイート・ナッティー系

• ナッツ
• リコリス（甘草）

MALTSアロマの例

グレイン・ナッティー系

• 炒り麦の香り
• 炒り豆の香り
• パンの耳
• トースト
• ビスケット

キャラメル・スイート系

• カラメル
• ハチミツ
• メープルシロップ
• バニラ

ロースト・ダーク系

• コーヒー
• チョコレート
• 黒こげしたパン
• エスプレッソ
• 焦がし砂糖

トースティ・クリスピー系

• トースト
• グラハムクラッカー
• ビスケット
• パイ皮

スモーキー・ウッディ系

• スモーク
• ウッディ（木の香り）
• 焦げたオーク

ドライ・バーレイ系

• オートミール
• クラッカー
• ドライバーリー

ESTERアロマの例

トロピカルフルーツ系

• バナナの香り
• パイナップル
• マンゴー

ストーンフルーツ系

• ピーチ
• アプリコット

シトラス系

• レモン
• オレンジ

ベリー・フルーツ系

• イチゴ
• ラズベリー

ペア系

• 洋梨

アップル系

• りんご
• 青りんご

キャンディー系

• フルーツドロップ
• ガムのような甘い香り

　風味を判定することで、ビールの楽しみ方は無限に広がります。ホップ、モルト、エステルの香りを細かく感じ取り、それぞれのビールが持つ個性を理解することで、ただ飲むだけではなく、香りや味わいの違いを楽しむことができるようになります。自分好みのアロマを見つけたり、新たなスタイルに挑戦したりすることで、クラフトビールの世界はますます深みを増し、一杯ごとの発見が生まれます。ビールをより深く味わい、個々の風味の違いを楽しむことで、クラフトビールの新たな魅力に触れてみてください。